マスタリングの依頼どうすれば良い?【データの準備】必要なこと

マスタリングの準備や気をつける事 マスタリング
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こんにちは、岩崎将史です。

名古屋を中心に作編曲、レコーディングなどの音楽製作の仕事をしています。
株式会社フルハウスという会社を経営しながら、音楽大学でも少し教えています。

CDや音楽配信などのオーディオマスタリングも平均で1ヶ月10タイトルほど手がけています

マスタリングを依頼するときに初めてだと分からないことが結構あると思います。
初心者向けにどのように準備をして依頼をすれば良いかマスタリングエンジニアの視点で解説していきます。

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ミックスファイルの準備の仕方

DAWでミックスするためのフェーダー

良い音でのマスターを作成するためには、次の2つを気をつけてください。

  • ブリックウォールリミッターは使わないこと
  • ビットレートコンバートはしないこと

言葉がよく分からなくても大丈夫です。
今から説明します。

ブリックウォールリミッター、マキシマイザーは使わない

ブリックウォールリミッターやマキシマイザーと呼ばれる物は音量レベルを最大化するためのリミッターです。
プラグインではWavesのL1、L2、L3などが有名です。
他にも、McDSPやSlate Digitalなども有名ですし、まだ他にも多くのプラグインがリリースされています。

これらのプラグインはピークをレベルをリミッティングして音量レベルを大きくします。

マスタリング用にデータを搬入する際には、原則としてこれらブリックウォールリミッターやマキシマイザーは使わないでください。

使用していると、写真のようにミックスファイルのピークレベルが±0dB〜−0.3dBの間くらいでピタッと止まります。

ブリックウォールリミッターを使って音量を上げた波形とピークメーター
ブリックウォールリミッターを使って音量を上げた波形とピークメーター

一度、ピークやダイナミクスを潰してしまうと、サウンドの艶や奥行きなどを取り戻すことができません

バイパスにしてマスタリング用のミックスマスターファイルを作成してください。

もしバイパスにした時にピークが0dBを超えてレッドがつく場合は、ミックスのトータルレベルを落としましょう。

適切な音量レベールのミックスマスターファイル
適切な音量レベールのミックスマスターファイル

上記写真のように、波形を見るとたっぷりと余白があります。
ピークレベルは音量が大きい所で、-3dBくらいまで触れていれば十分です。

-0.1dBのギリギリでもOKですが、特別な理由がない限りリミッティングでピークレベルを壁のように止めてしますのはやめましょう。

使っても良い場合

ここで書いた「使わない」と言うのはミックスの音量レベルを最大化するために、マスターセクションなどでは使わないという意味です。
次の場合は使ってOKです。

  • マスターチャンネルではなく各トラックでミックス用途のリミッターとして使用している場合
  • コンプレッション用途などでミックスのサウンド作りとして重要な役割がある場合。

サンプリングレートのコンバートをしない

これも凄く大切なことです。

マスタリングをオーダーする場合は、サンプリングレートのコンバートをしないでください。

例えば、レコーディングやミキシングのDAWの設定が44.1Kであれば、そのまま44.1Kでバウンスして送ってください。
48Kならば48Kのままで。

レコーディングやミキシングのサンプリングレートと同じ数値でバウンスする。

これが鉄則です。

何故、サンプリングレートを変えちゃだめ?

2つ理由があります。

  1. バウンス時に演算処理でサンプリングレートを変えることはサウンド的に好ましくありません。マスタリングスタジオでコンバートする方が音的に良いです。
  2. マスタリングでデジタル処理が必要になった場合にはできるだけ高レートの方が有利です。一度44.1Kにしてしまうと、荒くなったデータに手を加えることになります。

ビットの値はできるだけ高くする

LOGIC Pro Xでマスタリング用に32ビットを設定する
LOGIC Pro Xのビット設定の画面

サンプリングレートと違ってビットはレコーディングビットは気にせずにバウンス時に出来るだけ大きな数値にしてください。
昨今のDAWは32Bitフロートが主流です。
16ビットでレコーディングされているトラックもミックス処理では32ビットかそれ以上の値で処理されていますので、出来るだけ高いビットでバウンスした方が良いです。

優先順位としては、

  1. 32ビット浮動小数点 (32Bit Float)
  2. 24ビット (24Bit)
  3. 16ビット (16Bit)

の順番で上に行くほど、より良い音でマスタリングできます

フェードアウトについて

セコイアでフェードアウトを設定
セコイアでのフェードアウト設定

フェードアウトはミックス時にしておいても大丈夫ですが、無しでデータ搬入してもOKです。
マスタリング時にフェードアウトを掛けた方が、サウンド的には有利な場合が多いです。

何故、マスタリングでフェードアウトした方が良いの?

2つ理由があります。

  • 音量の適正化もしくは最大化を行ってからフェードアウトをした方がサウンドが自然。
  • 業務用マスタリングツールであるセコイアは他のDAWよりフェドアウトのサウンドがスムーズ

音量が極低レベルなフェードアウトの切れ際などはProToolsやLOGICより断然綺麗になります。

ミックスファイル意外に必要な事

マスタリングで分からないことがある女性

音源(ミックスファイル)以外にも重要なことがいくつかあります。

作品タイトル(アルバムタイトル)が必要

作品タイトルを必ず決めてくお知らせください。

作成するプレス用マスター(DDPマスター)などに記載します。

品番が必要

品番も必ず決めてくお知らせください。

CDの側面や背面などについている「ABCD-1234」のようなコードです。
ほとんどの場合において“アルファベット4文字+数字4桁”というのが多いです。

レコード協会に加盟している大手レコード会社などは、アルファベットが決まっていますが、個人の場合は自由に決められます
流通販売などを別で委託する場合は、流通販売業者に確認してください。

楽曲名と曲順が必要

曲のタイトルと曲順をお知らせください。

マスタリングでは曲順通りに作品を並べて、1枚のアルバムとして通して聴いた時に違和感のないように音質や音量などを微調整します。
同時に曲間やフェードアウト、クロスフェードなど情報も決めていきます。
曲順が決まっていないと曲間の設定ができません

完成した音楽CDにはテキスト情報は入りません

教えて頂いたアルバムタイトルや曲タイトルなどは、商品となるCD盤自体にはデータとして入りません
何故、必要かと言うとCDプレス工場などへDDPマスターデータと一緒に送るテキストシートが必要だからです。
工場ではシートとDDPデータを照らし合わせて間違いやデータの事故がないかを確認します。

カーステレオやiTunesなどでタイトルが出るのは何故?

TOC情報という曲順や曲の長さなどで、各社サーバーなどのストック情報などに基づいて予測でタイトルを出しています。
ですので、稀に間違ったタイトルが表示される場合もあります。
同業他社では「違うタイトルが表示される」とクレームになった事もあるそうです。
事故ではありません。

CD-ROMのフォーマットであれば、テキスト情報を入力してCDプレイヤーにタイトルを表示させる事も可能になります。
その場合は「AUDIO CD」という規格の商品ではなくなります

Audio CDの規格でないとCDマークは使えない

CD-TEXT、CD-EXTRAなど別の規格になり、音楽用CDプレイヤーでは再生できない場合も発生します。

レコーディングやミックスで参考にしているCD音源があれば渡す

もし、レコーディングやミックスの時点から「こうなったら良いな」というような目指していたサウンドがあれば、一緒に送って欲しいです。

実現できるかどうかは別にして、かなり参考になります
マスタリングに求めるサウンドは、アーティスト毎に千差万別で正解はありません。
サウンドの好みが分かると、凄く作業がやり易くなります。

特にない場合は必要ないです。
ミックスから受けるオーラを感じて、2~3案を提案します。

ミックスファイルの送り方

マスタリングデータをアップロードするPC

フルハウスのお問い合わせフォームからご連絡頂ければ、メールでアップロード方法をご案内しています。

アップロード先のURLをお知らせしますので、お使いのインターネットブラウザか無料アプリにて、簡単にアップロードできます

僕はマスタリングは「納得し気に入ってくれたらお金を頂く」という方針でやっています。
無料お試しも受け付けていますのでお気軽にお問い合わせください。

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