音楽家、フリーランス、税金、源泉所得税

ビジネス・経済

こんにちは、岩崎将史です。

今日、ツィッターのタイムラインに流れてきた投稿に下記のコメントしたら、プチリツイート頂き、以前から学生や若いフリーランス向けに簡単な説明を書きたいなと思っておりましたので、この機会に。

音楽業界、ことさら演奏家と作曲家は「いわゆる正社員」として企業で専従するよりも、個人事業、フリーランスとして活動する人って多いと思います。
僕も起業する27歳までは「いわゆるフリーランス」でした。

フリーランスだと日本の社会において、なかなかお金の事を勉強する機会ってないっすよね。
僕も大学生の時に、初めて作曲の仕事を請けたときに、クライアントから
「いくら欲しいですか?請求書ください」
とストレートに言われた時に、
「い、いくらが妥当なんだ、、、、せ、請求書??」
と右往左往でした。

今と違ってネットで検索すれば色々出て来る時代でもなかったですし。

幸いにもとても良心的なクライアントで、金額の考え方を提示してくれ、学生からすると十分な金額でした。
そして、自分なりに調べながら作成した請求書を郵送したところ、やはり
「いけてない所だらけ」
で修正箇所を赤ペンで的確に指示されたものが返送されてきました。

普通にビジネスマン、社会人として過ごされている方々には、あまりにも基本的な話すぎるとは思います。
ただし、音楽家の中には純粋培養的育ったのか少々金銭面に疎く、ごく稀にですが、
「え?!そこ揉める??」
と説明を理解してもらうのに苦労することがあります。
良い機会なのでブログに書いてみようかと。

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フリーランス音楽家に発注するとき

僕というか弊社フルハウスの場合だと、フリーランスに外注する機会が最も多いのが、「演奏家」ですし、税金の説明で一番、理解しやすいのは演奏仕事だと思うので、その例で書いてみます。

2名で演奏仕事の依頼を請けたとき

会社に僕ともう1名の、計2名の楽器での演奏の発注が仮に来たとします。
僕がクライアント企業に見積もりを出すとしたら、まず

「楽器演奏料 ◯万円 × 2名」

と記載します。


ココでは源泉所得材周りにフォーカスを絞りたいので、交通費や消耗品などの他の経費、消費税などは説明から外して書きます。
また、見積の考え方は会社によって違うと思うので、あくまでも「僕の場合は」です。
絶対にこうでなければいけない、と言うわけではありません。


◯万円にするかは、各個人の状況によって大きく異なります。
ビジネスの世界は自由に自分の値段を付けられます。
と同時に、クライアントも「妥当な予算感」と言うのがありますし、市場には「需給関係」と言うのがありますので、その中でお互いに条件が合って初めて業務の契約が成立します。
今回は、その辺は無視して、分かりやすく1名3万円の報酬 (ギャランティー) ということにします。
(いくらが妥当かと言う考え方については、また別の機会に書いてみたいと思ってますが)

そうすると、

「楽器演奏料 3万円 × 2名 = 計6万円」

という見積項目が出来ます。
僕ともう一人のフリーランスで、
「3万円づつ分けるよ〜」
ってことで分かりやすいですよね。

じゃあ、この3万円を丸っとフリーランスの方に支払えるのかと言うと、そうではなくて、件の源泉所得税を差し引かなければなりません。
いくら引くかと言うと、内容金額によるのですが、基本的には、今は10.21%を引きます。
国税庁のリンク貼っておきます。

徴収は事業者に義務付けれています。
やらないと大変な事になります。
(過去に同業友人がアドバイスをしてあげたにも関わらず処理をせず悲惨な目に。それも書けたら書こうかな)

そして、このお金は、僕や会社が搾取するわけではありません。
丸っと全額を税務署に振り込んでいます。
フリーランスの場合は、
「確定申告」
と言うのを行うことによって、
「これは報酬じゃなくて経費だよね?なら、その分は税金かけるのやめるわ〜」
ってことで、戻ってきます。

ですのでフリーランスの方は絶対に
「きちんと会計処理」
して、できるだけ取り戻して欲しいです。

ここが理解できない方が、極々稀にですが、いらっしゃいます。
納得できない方には、揉めるのは嫌なので、
「では3万円お支払いします」
と言って、二度とお願いしない、という選択を取ります。
というか、取らざるおえない。

そう言う時、社内的にはどう言う会計処理をするかというと、

岩崎将史 演奏料 ¥26,937
フリーランスAさん 演奏料 ¥3,3063
=======================
合計 ¥60,000

としてます。
処理しないとか、他の手段を取る会社もあると思いますが、大抵のクライアント企業の契約書には「正しく源泉所得税の処理をすること」というような内容が入ってます。
万が一、何かあったら大事です。
ですので、内部的には、
「僕のギャラをその分、引いて、¥30,000 + 源泉分をお支払いします」
という形式にしていました。

それでやっと「これで平等ですね」って人が、「ほんと〜に極極稀」ですがゼロでないのが社会の難しい所です (苦笑)

フリーランスAさんは、きちんと確定申告をすれば会社が税務署に支払っている「¥3,063」も取り戻せるのですが、ちゃんと処理してますかね?

上記源泉に関しては、ほとんどの人は理解してもらえると思います。
次の「管理費」というのが同業者やクライアント毎で考え方が違うなども相まって、経営者として難しいなと感じる部分です。

管理費が必要

フリーランスAさんに「¥30,000」の報酬を支払うにあたり、実際に振り込む金額は「¥26,937」です。

この振込作業には、銀行の振込手数料が必要です。
実際の振込業務は、別の人(というか妻ですが)にお願いしているので、詳細な数字は覚えていませんが、銀行が違うと¥700程度も掛かっている時もあったように記憶しています。
そのお金は、誰が出すのか?

僕は「演奏者のギャラから引くというのは違う」と考えるタイプなので、会社が負担する物として扱いたいのです。
ただし実際には、振込手数料を引いた額を振り込んでくる企業が半分くらいあるので、世の中的には意見が分かれるところだと思います。

でも6万円の金額から、フリラーンスAさんの3万円以外から¥700の手数料を捻出しようと思うと、僕のギャラから引くしかないですよね?
それも理屈が合わないので、

管理費

という見積もり項目を設定しています。
フリーランスではなく、きちんとした事務所に依頼をするときも、まず演奏料などとは別に管理は計上されています。

そして「管理費」は、振込手数料だけではなく、色々な経費を賄います。

源泉所得税分の「¥3,063」これを税務署に振り込まなければなりません。
そこでも手数料がかかります。
税務署に申告するためには、マイナンバーを教えてもらい必要な書類を作成し、労務士さんにも報酬を支払わなければなりません。

管理費取らないと、それらの経費が出ないので法人として成り立ちません。
同業者に、
「すごい仕事増えたのにで経費ばっか増えて自分の報酬は減った」
みたいな愚痴を聞かされることがありましたが、この辺を全部ボランティアでやってしまう感覚の人も、事実上個人事業みたいな人だと多いみたいです。

例えば、

管理費 ¥4,000 × 2名 = ¥8,000

という見積もり設定をしたとします。
演奏者ギャランティーとは別に、この見積もりが追加されて計¥68,000の見積になります。

経営者として悩ましいのは稀に、この管理費を値切ってくるクライアント企業があるので参ります。
「〇〇(同業他社)ではギャラ金額だけでの見積もり来てるんだけど」
みたいな。

おそらく同業他社はギャラが¥30,000じゃなくて、内部的には¥26,000 (から源泉を引いて支払う)って感じにしているんだと思います。
内々にどういう風に処理しても問題はないのです。

演奏者を1名¥34,000で見積もっても良いですし。

ただ僕は自分がフリーランスの立場だったら
「明確に分かれているほうが良いのではないか?」
と考えている派です。

例えば、別な仕事で別ルートでクライアントが直接奏者に発注する機会があった時に、それぞれの値段を壊さなくて良いと思うので。
ここは色々な意見があると思います。
「商売下手」と笑う異業種社長友人も居りますし。

管理費はあくまで会社経費

そして、凄く凄く稀にですが「管理費」にネガティブに反応いただく方もおります。
「管理」=マネジメント事務所みたいに思うのかなと思いました。
そうするとフリーランス=個人事務所だから自分の経費じゃないのなどと。

ここでの「管理費」とは業務依頼に当たって最低限必要な経費を賄うコストの事です。


ということで、ツィッターに端を発した源泉所得税についてはココまで。

特に僕みたいに音大生時代から仕事を請けたりして、その辺り良く分からずに仕事してしまっていた、という人に参考になれば。
あと、色々な事務所から仕事を請けると思いますが、そのために色々、手間やお金が動いているんですよ、ってのを感じ取ってもらえてば良いかなと。

こちらも発注が少しでも楽になりますし。

ツィッターのリプライも面白いです。

他にも、にわかには信じがたいですが、色々な方々がいるものですね。

あ、あと「消費税」についてツィッターでレス頂いた方がいて、僕の認識からすると「消費税を乗せない、乗せさせない」というのは考えにくいです。
それについても、そのうち書いてみたいと思います。

では、また。

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コメント

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