フリーランス ギャラの決め方|その2

ビジネス・経済・経営・教育
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前回の
フリーランス ギャラの決め方|その1
の続きです。

音楽屋フリラーンス経験と起業経験での僕の「考え方」が、ちょっとでも役に立ってくれるなら、という感じです。
これが正しい唯一の考え方」ではないので、一つの参考までに。

ここでは「労働収入」と呼ばれる業態として書いています。

作曲案件などの場合、著作権印税の収入などの「権利収入」があります。
単利と複利」と言われたりもします。
そうであれば、仕事の金額「単価」に縛られず、もっと自由な考えも方をして良いと思います。
また「1対多数で展開できる業態」の場合も同様です。

僕も著作権収入はありますが、多くは「クライアントと1対1で向き合って制作する」仕事がほとんどです。

そういう業態の場合、何も考えずに仕事を請けてしまうと、
質を上げれば上げるほど収入が下がる
という悪魔のループになる可能性があります。

僕の場合、フリーランス時代は自宅スタジオ。
法人化してからはテナント賃料など。
固定費がそれなりに掛かる業態ですので、気持ちは「ノーギャラでもやりたい仕事」というのは数多くあるのですが、「そうも言っていられない」という中で仕事をしていました。

「1対1の請負サービス」というのは、仕事がない時があれば「マイナス」。
めいいっぱい入って「普通」だと、それ以上に収入を増やせないので「マイナス」の時の「マイナス」は、ずっと残ったままになります。

そういうのが積み重なって、
「忙しい時も多いのに、機器の更新できず、システムが古くなり、仕事が取りにく
みたいな話はよく聞きます。
結果、廃業していった知り合いもそれなりにいます。

僕もたくさん失敗してきましたので、「これが正しい」と言うつもりはなく、反面教師としてでも構わないので、何か参考になれば嬉しいです。

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1つの現場を成立させるために必要な日数・時間

前回と同様の、あえて”現場”というワードを、”やったらお金が貰える仕事”と仮に定義します。

「どんな種類の現場か?」

によって必要な時間、日数は変わると思います。
「演奏の仕事」を例に考えてみます。

リハーサルのない、ぶっつけ本番のみの演奏仕事

仮にですが
「リハーサルなどあらゆる準備の要らない演奏の現場」
というのがあったとします。

それなら数字上は営業可能な日数である年間233日、コンサートを入れられます。
実際にそんなことが可能かは別にして。

  • 日給 ¥13,000 → 年収300万円
  • 日給 ¥26,000 → 年収600万円

という数字が出てきます。

今の段階では”人件費”の考え方を書いていますので、”経費”は無視しています。今後、順番に書いていきます。

1本の仕事を取るために必要な工程

ただし、実際には仕事を受注するためには色々な工程が必要です。
必要な要素を書き出してみると、

  • 自分の存在、サービスを知ってもらう(宣伝広告、販売促進、プロモーション)
  • 商談 (営業)
  • 練習、スキルアップ、新しい音楽聴いたり探したり楽器や機器を試したり(人材教育、商品開発)
  • 現場 “演奏、曲作り”(製作、施行、販売)
  • 経理(経理)

これらの業務を一般的な「企業」は「給与」を貼らないがら運営しています。

例えば広報に配属されて、
「あなたは宣伝担当だから給与は無しね」
っていうのはあり得ないと思います。

それがフリーランスや自営業になると、
「スケジュールが埋まったら人並みに食えるようになるから」
という金額設定をしてしまう人が、それなりにいます。

ちょっと前に一部でニュースになってたのが、

「フリーランス、個人事業主の年収実態がすごい」

ってやつです。

良い意味で凄いのならよいのですが、ググってわかりやすそうな表がこのサイトのグラフです。

平均年収を稼いでる層もそれなりにいますが、180万円~235万円という層が一番多い、ということをこのグラフは表しています。

もちろんグラフの詳細な中身は分かりようがないですが、結果的に、

「平均年収も稼げていない。というかその半分以下」

という層が多いことを示しています。

「なぜ、そうなってしまう層が多いのか?」
という詳細は知りようがないのですが、若い子から相談を受ける機会も増えるにつけ、
「金額設定に無理がある」
と感じることが多いのが、僕の感想です。

「宣伝、営業なども仕事なので、トータルで採算が合うように自分のサービスを考える」
というどこの企業でもやられている事を、同じように考えることが重要だと思います。

フリーランス・個人事業主

僕は、
「フリーランス=個人事業主」
と理解していますでの、
「フリーアルバイター」
とは全然、違います。

事業主といったら、
「顧客獲得」
が最も重要な仕事です。

アルバイトや社員など、企業の中に入ってしまえば、お客さんが居ても居なくても給与は支払われます。

「コンビニに2時間バイトで出たけど、お客さん来なかったから時給出なかったわ」

というのは無いはずです。

それが、
「雇われる」
という状態です。

かたや同じコンビニでも、店のオーナーであれば、まさしく事業主でして、
売上¥0か、、、この時間の自分の給与なしだわ
どころか、経費分マイナスとなります。

ガチガチに束縛されたフランチャイズオーナーには独立した執行権がないので、本当の意味ではどうなの?と思いますが、それは別の話

どこかの事務所と契約して、
「それなりにいつも定期的に仕事が頂ける」
など契約であれば、半分
「雇われている」
という考えもありだと思います。

「常に、依頼者や仕事を探している状態」
であれば、それは
「個人事業主」
と言えると思います。

練習、スキルアップの重要性

”現場”以外にたくさんの”仕事”が必要なのは伝わったかと思いますが、音楽家に一番わかりやすい”現場以外の仕事”というと「練習」ではないかと思います。

233日働くとして、全部 ”現場” 入れたら練習する暇ない

という当たり前の結果になります。
練習する時間はもちろん必要でしょうし、新たな音楽、技術にトライして行くことも重要です。

音楽に限らずどんなビジネスでも

「時代の変化」

というのがありまして、

報酬を得やすい物

マネタイズしやすい物というのが変わってきます。

PC業界を例に出すと、

80~90年代はPCの販売が絶好調でした。
が、今ではIBMを始めかつての大手企業はPC部門をほとんど売却して手放しています。

代わりにここ数年はスマホが全盛の時代でした。
が、これからはまた変わってくると思います。

コンピュータ業界で、もしPCだけにこだわっていたら当然、時代に取り残されます。
常に勉強、研究しながら販売するサービスを変えていっています。

音楽業界も同じだと思っていまして、常に新しいことを学んで試してる活動は重要だと思います。
実際にそれを「商品サービス」として仕事にするかは、別として。

普通の企業は、新たな研究、開発を労働時間外でやっているのか?

そんな事はないです。

そういったことにこそ常に莫大な費用、コストを使っています。

フリーランスは個人といえど事業主であれば、
「今、うまく行っている」
だけでなく、その次の展開を常に考えていく事が重要です。
そして、その「原資」は「今の仕事」から捻出するしかありません。

ちょうど「富士通の45歳以上のリストラ」が話題ですが、10~20代の頃の感性で止まっていると、「老害」と思われるようになってしまうかも。
と、ならないように気をつけなきゃ。。。

予想外なところでも莫大な出費は起こります

他にも、予想外なところで莫大な出費が生まれたりします。
僕ごときで烏滸がましい話ですが、2011年の東北大震災の時の例を書きます。

4ヶ月、ぴったりと仕事が止まった

フルハウスの主な取引先は、ほとんどが東京の会社です。
もともと名古屋でもきちんと制作できるシーンを作りたかったのですが、長期安定的に音楽制作を発注してもらえる会社はあまりなく、という感じでした。

震災の頃も、売上ベースで80%は東京の会社でした。

震災でぴったりと止まりました。
クライアントも当然困っているので、これは仕方のないことです。

ただし法人化していると言えども僕の個人事業から始まって少し社員を増やせた程度の小さな会社だと、まあキツイです。

収入がいきなり¥0になって、固定費が掛かります。

  • 家賃、数十万円
  • 水道光熱費、リース、その他諸々数十万円
  • 社員3名(僕以外)の給与に社会保険、労働保険などなど

他にも色々かかりますが、毎月100万円単位のキャッシュが銀行からなくなっていくワケです。


「ウチなんか千万単位だ」という社長さんも見てると思います。が、あなたは対象ではありませんよ(笑)



入ってくるのは「ほぼ0円」

「これはマズイ」

ということで、僕はすぐに車通勤をやめて自転車通勤にしました。
ガス代どころか定期代ですら削らないと。
坂道アップダウンありでの片道、1時間ちょいでしたので、最初はかなりキツかったです。

そんな状況が何ヶ月続くか分かりませんが、
「その間にしかできない事を徹底的にやろう」
と決めました。

その一つが、
「スタッフの徹底的なスキルアップ」
です。

毎日、作曲からミックスまで、各自のテーマを決めて作業してもらい、大学の個人レッスンのようなノウハウ伝授を行いました。
ウチの売りはとにかく「技術力、クォリティ」なので、このタイミングで若いスタッフを徹底的に鍛えよう、と。
おかげさまで全員、相当なスキルアップができて、スタジオ業務をほぼ完全に任せられるようになったり、独立して今の日本のシーンを代表するようなメジャー作品をバンバン書いて売れっ子になってます。

それらは
全部、給料を払いながら
です。

結果的に3ヶ月ほど続いて、4ヶ月目からぼちぼち仕事が復旧し事なきをえました。
業種や会社によっては、苦しいので当然、社員にも耐えてもらったという所もあると思います。
非常事態ですので仕方ないです。
潰れては元も子もないので。

うちも後1~2ヶ月、クライアントからの発注が止まる、という事態が続いていたら、また違うアクションを取らなければならなかったと思います。

ちょっと話は長くなりましたが、フリーランスも
「実際の”現場”以外の労働もきちんとコストに含めてサービスを考えた方が良い」
という例として書かせて頂きました。

他にも自分のせいではない予想外のことで「車1台分の出費」というのは、それなりにあります。

そう行った事にも「ある程度は対応できる」サービスの設定をする必要があると考えています。


と、ここまで書いて、時間が来てしまいました。

「では、どれくらいの余力を見るものなの?」

と言うのが次に出てくる考えと思います。
ちょっと仕事が詰まってきているので、もしかしたら日にちが開いてしまうかもですが、その3も書きたいと思います。


作編曲家・プロデューサー・エンジニア 岩崎将史


コメント

  1. […] 次の記事書きました。 […]

  2. […] フリーランス ギャラの決め方|その2 […]

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