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「自分の値段」の早見表。時給・日給・年収【フリーランス】

音楽の学び
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こんにちは、岩崎将史です。

希望の年収を稼ぐためには、日当時給をいくらに設定すれば良いかをにまとめました。

【日給】年収からみる日当の早見表

年収と1年間の現場日数を表にするとこんな感じです。

年収200日150日100日50日
1,000万円5万円6.7万円10万円20万円
750万円3.75万円5万円7.5万円15万円
600万円3万円4万円6万円12万円
500万円2.5万円3.3万円5万円10万円
400万円2万円2.7万円4万円8万円
300万円1.5万円2万円3万円6万円

是非、自分の値段の検討、ギャランティー交渉の参考にしてください

左側が「欲しい人件費枠」
上の青い文字は「年間にこなせる現場の日数」です。

200日以上稼働しないと「目標年収に達しない仕事」は「成り立たない仕事」だと僕は考えています。理由は後述します。
また、もし最低年収を300万円に設定するなら、毎日「必ず現場がある」としても1.5万円以下の仕事は絶対に請けちゃダメです。

直近のデータだと「給与所得者」の平均は400万円
中央値が380万円のようです。
中央値というのは日本に100人の給与所得者が居るとしたら、給与が上から50人目の人の金額です。

いくらが妥当なのかは、人それぞれの環境や人生観、その時のその業界の状況などで大きく異なると思いますので、僕ごときは何も言える身分でもないです ^^;

年間、何日の現場設定が妥当?

年間の標準労働日数は200〜240日程度ですので、そのうちのどれくらいを現場にするか、という判断になります。

下記は僕の考え方です。

1年を50週くらい。週休2日で考える

1年は52週あります。
盆暮れ正月で2週間休んで50週。
週休2日にしたら、1週間5日 x 50週で250日。
年間の祝日、振替休日が22日(2019年)なので、250日 – 22日 = 228日
これを大きく越えてくると、いわゆるブラックになります。

業態によると思いますが、100日〜120日程度の稼働が僕は一つの理想で考えています。
120日の現場を入れるために、宣伝して、営業して打ち合わせして、仕込んで、経理して、労務処理して、勉強やスキルアップのトレーニングをして、セミナーに参加して、と。
かなりハードなスケジュールなります。

宣伝だけでもWEB作ったり、フライヤー作ったり、作業工数を取られます。

めいいっぱい現場を入れても良いのですが、その分は他の作業を全て人に頼むことになります。
例えば、1名が現場専門、もう1名が宣伝、営業、準備、調整、経理などを全て担ったとすると…

  • 1名:1日1万円 x 100日 = 年間売上100万円 = 1名100万円
  • 2名:1日1万円 x 200日 = 年間売上200万円 = 1名100万円

で一緒になります。

2名で初めはしたが、

「めちゃくちゃ頑張ってスケジュールをフルに入れて超忙しいのに、人にも気を使って大変。
それで同じ年収なら、現場半分にして1人でやりたい」

と言って、ほどなく別れて1人づつになったという例は、僕の周りだけどもメッチャ多いです。

さらに「スケジュールが全部埋まったらやっていける」という設定は「一切人も育てられないし、勉強する時間もとれない」ということになり「いつか時代に取り残される」と思います。
1名分の余裕を見てなくて給与払えないものだから「まずは弟子と思って10年見て覚えろ」みたいになっちゃうんだと思います。

作業と売上が1:1の業種であるかぎり「エネルギー保存の法則」ならぬ「コスト保存の法則」と僕は勝手にネーミングしてますが、結局「人が動く以上掛かるものは掛かる」と考えています。

次に僕の具体的に例を出して説明します。

演奏仕事の場合

「演奏仕事」と言っても自分でプロダクトして宣伝、販売していくいわゆる「アーティスト」的な物はコレに当てはめない方が良いです。
アーティストの場合は、レバレッジがガンガン掛けられますので、1:Nの仕事になります。
その場のギャラよりももっと違うものを得た方が良いです。

1:1の演奏仕事と言うと、例えば依頼を請けてタレントやアーティストのサポート演奏をしたりする仕事が当てはまります。
その場合、僕はこう考えています。

週休2日で最低2日現場、残りをどこまでどうするか

演奏仕事は週末や祝祭日が多いです。
毎週土日に演奏仕事が入るとそれだけで年104現場となります。
週の2日が本番で、2日はオフとすると残りは3日。
この中でスキルアップ、楽譜の準備、練習、リハーサル、それだけではなくオファーがあったら商談してスケージュル調整、見積を書いたり請求書出したり、経理処理したり。
あと、移動時間や移動日があります。
「金曜日に東京で演奏して、土曜日に福岡へ移動。日曜日の朝から小屋入り」とか、普通の会社員であれば、移動時間も「勤務時間」です。
出勤ではなく出張という扱いです。

移動時間もギャラを取れ、と言う事ではないですが、それも踏まえた値段設定にしておかないと、休みが全くないのに年収は半分みたいなことになっちゃいます。

僕は演奏仕事がそれほど多い訳ではありませんが、事務所からミュージシャンのブッキング、アレンジ、当日の進行などを丸っと依頼される場合が殆どです。
つまり「何が何でも絶対に成功させる」というのが、ノルマになります。
スケジュールがなければメンバーに渡す楽譜の浄書なども、スタッフや外注さんを使い完全な準備をする事が必須になります。
そういうあらゆる部分を常にコスト化して考えています。

コンサート、ホールなどの現場

技術系も人や会社によってめちゃくちゃ考え方が違うな、と感じてます。

「年間の現場日数」はそれぞれで決めて良いと思いますが、技術系は「1日の拘束時間が長い」と言う部分に僕は気を使っています。
社員もいるので、労務的配慮の思考は常に頭に置いています。

ホールに朝9時に入って仕込んで、本番終わるのが8時〜9時でバラして機材積み込んで10時で、会社に戻って機材を倉庫に戻して12時で、とかも珍しくないと思います。
さらに朝9時にホールに入るためには、早朝に集合して機材積み込んで移動して。
実質、14〜16時間労働も普通にあります。

さらに打ち合わせして図面書いて、事後処理もして、機器のメンテや管理もして。

これで「年間200日ね」って言われたら、まあ無理ですよね。

実際にそのような運用をしている会社があって、教え子が何人も就職しては1~2年で体を壊して働けなくなって退社、リハビリへ。
大体、いくつかの常に同じ会社。
入社したの知らなくて久々に連絡を貰ったら「実は体壊して〇〇を辞めてしまいまして…」と。

もちろん、そうじゃない会社の方が多いです。
が、少ないながらも身近にそう言う例がありましたので、書きました。

音楽制作の場合

作曲や編曲、プロデュース。
僕のメイン業務です。

案件ごとにものすごく中身が異なるので、実例を書きにくいですが、基本は「どれくらいの日工数が必要か?」を元に決めて行けば良いとおもいます。

この手の仕事の場合、いわゆる権利収入がある場合も多いので、一概には言えないところもありますし、これはまた機会を改めて書きたいなぁと思います。

【時給】年収からみる時給の早見表

1日単位でなく、時間で仕事を請けるって人もいます。
時給での早見表です。

年収と現場日数からみる時給・早見表

年収200日150日100日50日
1,000万円6,250円8,333円12,500円25,000円
750万円4,688円6,250円9,375円18,750円
600万円3,750円5,000円7,500円15,000円
500万円3,125円4.167円6.250円12,500円
400万円2,500円3,333円5.000円10,000円
300万円1,875円2,500円3,750円7,500円

8時間で計算していますので、実際の業態に合わせて調整してください。

どんな仕事でも時給¥2,500切ったら給与所得者の平均や中央値を下回ってきます。
アルバイトかパートという位置付けになります。

【注意】人件費枠とは?年商と年収は違う

必要な年収を稼ぐために、「1日いくら稼げば良いのか?」という表をまとめましたが、すごく大事なことが2つあります。

  1. 年収は純粋な人件費。経費は別
  2. 同じ年収の会社員と福利厚生を揃えたいなら1.5倍必要。

年収は純粋な人件費。経費は別

ここで書いたのは「年収」「売上」ではなく「人件費」の事なので、経費は別になります。
交通費、材料費、道具の償却、倉庫や事務所の家賃などが、会社員の給与から引かれることはないですよね。
普通の会社は「人件費」とは別にそれらの経費分もキチンと上乗せした販売価格を設定をしています。

同じ年収の会社員と福利厚生を揃えたいなら1.5倍必要

会社などの法人の場合は「人件費」以外の大きなコストを従業員に払っています。

年収400万円のサラリーマンの場合、会社は厚生年金会社負担分を60万円くらい払っています。
本人負担と合わせると120万円と高額になります。
さらにそれ以外にも労務管理費的な物も発生します。
それらを全て合わせて「人件費枠」と言います。

年収400万円のサラリーマンと同じ年収が欲しい場合、フリーランスの場合は500万円以上に設定してください。
差額で民間の保険などを使っていかないと同等の待遇にはなりません。
フリーランスはこの「厚生年金」がないので、老後も含めたトータルで考えると「サラリーマンと同じ年収稼げてるから良いか」ってのは注意が必要だと思います。

保険や人件費関係の記事シリーズ。
保険のプロにも「すごく参考になります」とメッセージ頂いたりしていて恐れ多い事です。

僕は音楽屋ではありますが、19年間も会社経営をしていると、あらゆるコストを瞬間に具体的な金額に置き換える癖が着いてしまっています。
経営者でなくても長くビジネスをしている多くの人は同様でしょう。

特に人が動い時のコスト感というのは、常に頭に入れて考える癖がついてしまっています。
普段商談するときにもこの表がバッチリ脳に入っていて話をしています。
が、若いフリーランスの場合、あいまいだとどうしても値切り交渉に弱かったりすると思います。

デザイナーやプログラマー、レッスンなどはレバレッジの効かない1対1の請負仕事です。掛け算ではなく足し算の積み重ねですので、ひとひひとつの仕事の金額設定がとても大切だと思います。

以上が、僕の考え方です。

とはいえ絶対の正解というのは、この世に存在しません。

多くの方が試行錯誤をしながら自分の仕事のスタイルを確立していってます。

あなたの身近に学ぶべき、参考にすべき人がいる場合、そのやり方を取り入れてみるのも良いかもしれません。

今回の内容を動画にもしてみました。

では、また。

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